31.ブラッシングでヘアケア

スタイリングだけじゃないブラッシングの目的と効果

毛先に動きのあるスタイルや巻き髪の流行で、最近出番の少なくなったヘアブラシ。「ブラシは殆ど使わない」という方も多いのではないでしょうか。ブラッシングには髪と頭皮をケアする目的もあるのでヘアスタイルに関係なく取り入れて欲しいケア。そのブラッシングの効果とケア方法をご紹介します。多くの方がブラシは髪をとかしたり、スタイリングしたりするアイテムと思っているようですが、実はブラッシングには髪と頭皮をケアする目的もあるのです。今となってはシャンプーやコンディショナーがヘアケアのメインとなっていますが、1990年代以前はシャンプーを毎日する習慣はありませんでした。それまで髪と頭皮をケアするアイテムとして毎日行われていたのがブラッシングなので、2020年代の美しい髪を追い求める女性にもぜひとも実践して欲しいと思います。

ブラッシングの2つの主な目的

ブラッシングの目的の1つに「髪と頭皮の汚れを落とす事」があります。スタイリング剤などはブラッシングではなかなか落ちませんが、通常の汚れであればブラッシングだけで、かなり取り除く事ができます。シャンプー前にブラッシングをして、髪のほつれと大まかな汚れを落としておく事で、シャンプー時の泡立ちが良くなり、短時間で効率良く汚れを落とす事ができます。またブラッシングは髪だけではなく、頭皮の汚れを浮き上がらせたり、マッサージ効果で頭皮の血行を促進したりと、頭皮ケアも行えるので、シャンプー前に丁寧に行なって欲しいケアです。使用するブラシはできるだけ目が粗く、柔らかい素材の物がおすすめです。硬い素材で頭皮を擦ってしまうと、頭皮を傷つけてしまいます。頭皮も顔も一枚で繋がった同じ皮膚。洗顔で顔を擦ってはいけないように、頭皮も摩擦や強い刺激はトラブルのもとになります。

ブラッシングの2つ目の目的は髪のキューティクルを整える事。キューティクルの状態が髪のツヤを左右しますが、キューティクルを整える一番効果の高い方法がブラッシングです。その効果の実感値はとても高く、簡単で安価に髪のツヤをアップする事ができるので「髪にツヤを出したい」という方は、毎日のケアにブラッシングを取り入れる事をおすすめします。またこの時に使用するブラシはシャンプー前の物とは異なり、できるだけ目の細かいブラシがおすすめです。豚毛や猪毛などの天然毛で、1つの毛穴から何本もの毛が出ている物を使い、髪をなでるようにブラッシングして下さい。ツヤだしのブラッシングはやり方を間違えると、髪にダメージを与えてしまうので「髪のダメージが気になる」という方は、ヘアオイルなどを使用してからブラッシングして下さい。

コツさえつかめば簡単！　正しいブラッシング方法とその注意点

ブラッシングを行なう時の方法とその注意点について紹介していきます。

①ヘアケア製品を付けるならブラッシング前に！
髪の毛がぱさつく時は、オイルやヘアクリームを塗って潤いを補給しますよね。これを塗ってからブラッシングをしたほうが髪の毛へのダメージを軽減できますし、ブラシ通りが滑らかになりますよ。髪の毛がパサパサしている時は、静電気が起こりやすく、それが髪の毛にダメージを与えてしまい、枝毛・切れ毛の原因になります。ヘアオイルやクリームを事前に塗っておくと、髪の毛も潤ってブラッシングによるダメージも防げます。
②最初は、もつれた毛先からブラッシング
ブラッシングする時は、いきなり根元から毛先に向かって一気にとかすのは絶対にNGです。特に朝起き掛けはヘアスタイルもかなり乱れていますよね。そんな髪の毛に無理矢理ブラシを入れると枝毛・切れ毛といったダメージの原因を作ります。特にもつれやすい毛先を先に優しくほぐしてから、頭皮から毛先に向かってブラッシングすると良いですよ。
③ブラッシングは、あくまでも優しくが鉄則！
髪の毛のとかし方だけでなく、ブラシの頭皮への当て方も注意して下さい。頭皮が適度な刺激を受けると育毛効果がアップするのですが、強すぎる刺激はかえって頭皮ダメージを加速させます。頭皮にブラシを当てる時は痛いと感じる強さではなく、「心地良い」程度に抑えて優しくブラッシングしてあげましょう。
④ブラッシングはキューティクルの流れに沿って行なうのがベスト！
ブラッシングは髪の毛の流れに沿って根元から毛先に向かって行ないましょう。それは髪の毛一本一本を保護してくれているキューティクルの流れに沿わせるためです。この流れに逆らってブラッシングをしてしまうと、キューティクルにダメ―ジを与えて、せっかくの髪の毛のツヤが失われてしまいます。よくヘアをボリュームアップさせるために逆毛を立てながらブラッシングする方法が紹介されていますが、やりすぎると髪を傷めるので注意して下さい。

【参考文献】
「女性の美学」
「ＬＡＬＡ　ＭＡＧＡＺＩＮＥ」
「Ａｌｌ　Ａｂｏｕｔ　Ｂｅａｕｔｙ」